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『フィールドワークへの挑戦』を読みながら、ものづくりとエスノメソドロジについて考える

関連記事:asahi.com:京大生の報告集出版 – マイタウン京都

先日買った京都大学の菅原和孝教授のフィールドワークの本が、かなり良い。

厳密に、participating observation(参与観察)して、民族誌を作り上げている。ethnomethodology(エスノメソドロジー)してる。

奇しくも、丁度去年の今頃やっていた「お祭り」や「サッカースタジアム」のフィールドワークに近いことを、このエントリで書こうと思う。(書きながら考えるので何が出るかわからないが)

この本では、京都の街の行商人をフィールドワークしたり、エチオピアのビデオ小屋で麻薬?を噛みながらビデオみたり、と激しいFW(フィールドワーク)が行われてるだけど、俺は銭湯のFWが面白かった。「銭湯の背中流しっこのネットワーク」が見えてきて、色々と想像力を掻き立てられる。

銭湯はかなり特殊な空間で、都市の中の公共空間としても機能的に面白いし、あれだけ人がいるのにみんな裸という身体性も凄い。

みんな一緒にいるはずなのに個人っぽい、没場所的な今の都市において、大したイベントも無いのにみんなが集まる「銭湯」の様な場所で起こっている事を理解し、デザインに取り入れる事はユビキタスコンピューティングの新しい形としてヒントになる。(既に前から考えてるが…まず実験が結構難しい)

あと、銭湯の中に民族誌を持ち込めないという障害を乗り越えて、レポートを作ったのも凄い。

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HIIにHCIのアプローチを取り入れる:『アンビエント・ファインダビリティ』を読んで思ったこと

色々あって、昨日やっとこの本を手に取った。『新ネットワーク思考』などを現代版にしたような、凄く良いネットワークの本だった。

アンビエント・ファインダビリティ—ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
ピーター モービル Peter Morville 浅野 紀予
オライリージャパン (2006/04)

俺はSFCの奥出研究室でユビキタスコンピューティング&HCI側で勉強をしているので、4章の『錯綜する世界』で紹介されるMITのTangibleBitsや、McCulloughの『DigitalGround』などのHCI的マストな本や、アンビエントやパーベイシブの話と、ネットワークの話が関連づけて書かれててかなりぐっときた。

というか一章の一番始めからMITの石井さんのセリフから始まってうけた。

それでさっきblogに書こうと思ったんだけどDESIGN IT!さんの書評が凄く良いので、どういう事が書いてあるかはそっちを見てほしい。

んで本題に入るんだけど、DESIGN IT!さんの続きで、HCI(Human Computer Interaction)からHII(Human Information Interaction)へという記事のがあるんだけど、これは実はちょっと違うんですよ。多分。

HCIからHIIに行く、というより、HCIの方法論を取り入れないと、HIIはシンボル==データな、地図みたいなのしか扱えないという事だと思う。

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最近買った本 – Ajaxとか貨幣とか電子工作とか

最近買った本。

内容バラバラに見えるけど俺的にはピント合ってるんだと思う。ま、自分を信じて先行入力してくしかない。

他の本ははてなブックマーク – shokaiのブックマークおよび本棚を参照のこと

ソースコード公開されてるAjax本。なかなかいいと思う

Ajax逆引きクイックリファレンスWeb2.0対応for Windows & Macintosh
古籏 一浩
毎日コミュニケーションズ (2006/03)

Web20000.0本棚より、貨幣とネットワークについて。

マネー崩壊—新しいコミュニティ通貨の誕生
ベルナルド リエター Bernard A. Lietaer 小林 一紀 福元 初男 加藤 敏春
日本経済評論社 (2000/08)
売り上げランキング: 72,058
おすすめ度の平均: 4.5

4 挑戦する経済学者達
5 競争から協働へ

オライリーから出てた洋書。

Ajax Hacks (Hacks)
Ajax Hacks (Hacks)
posted with amazlet on 06.04.29
Bruce Perry
Oreilly & Associates Inc (2006/03/30)

FSBクロックの発生元をhackして全体のクロック上げたり、有線部分を赤外線LED+フォトトランジスタにして無理矢理無線化したりと面白いhack本。

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『グーグル—既存のビジネスを破壊する』

こないだ湘南台の文華堂で買って、家までの電車と一昨日のフットサルの行きの電車で読んだ。読みやすいし、Wiredでずっと連載してる佐々木さんが書いたのが意味あると思う。

グーグル—既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚
文芸春秋 (2006/04)

Googleのやっているサービスを普通に紹介している本だった。

・圧倒的な計算能力があって

・ほぼ何もかも「把握」できて

・そこにピンポイントに情報を送り込める

すると、いままでウザかっただけの広告が、「うれしい広告」になる

で、その「うれしい広告」と対になるように、webサービスを無料で公開する。

Googleは、webサービス上でのユーザの動きを「把握」できるから、さらに「うれしい広告」の効果が上がる。

相乗効果になってくる。

まあ、そういう事なんだけど結局地主2.0って事なんだよね。

それに対して、俺らのubicomp/HCIの研究はどういう風に関わるかというのだが・・・

こういう2014年には結構なっていくと思う。でも決定的にこのflashムービーが描いていないのは、「どうやって日常の中でニュース投稿してるのか」とかそういう事だ。一体いつまでwebだけでやるつもりなんだろう?

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『ルーマン理論の可能性』①

先週金曜に15分、今週水曜に15分、今日スタバで1時間半ほどで点検読書した。でもまだ最後まで点検できてない。

①としているのは、そのうち続きを書くから。

ルーマン理論の可能性
ルーマン理論の可能性
posted with amazlet on 06.04.21
村中 知子
恒星社厚生閣 (1996/01)
売り上げランキング: 474,552

■読む前に考えていたこと

俺は社会をシステムと捉えた二クラス・ルーマンが気になっていたんだけど、著書が多すぎるしwikipediaやGoogleとかで見てもいまいち特殊な用語が多くて掴めなかったので、どの本から手をつければいいのか数ヶ月迷っていた。(他にも色々やる事あるし)

なぜ気になっていたかというと、SocialComputingというユビキタスコンピューティング(ubicomp)のHCIの一分野があって、俺はそれをやっているから。SocialComputingは、いわゆる社会的なものにユビキタスコンピューティングをシステムとして実装(埋め込む)事で、社会とそこに生きる人の経験をデザインする。

その方法として、例えばDourishの『Where the action is』という本には、「SocialComputingとTangibleComputingは実は同じものだ」と書いてあって、それを包括する現象学的設計論をubicompに提唱している。現象学的設計論では、エスノメソドロジーによるフィールドワークを行い、そこで起こっている事とデザイン対象の「経験」を自分に取り込む。これは、例えば相手にアンケートを取っても大抵の人は自分の「欲求」を正確に説明する事ができないし、どういうデザインがあればより良くなるか説明できるはずがないからだ。(決して、デザイン対象との対話を否定してるわけではない)

「経験」を取り込んだデザイナが、「どうやれば/何があれば」良くなるかを考え、デザインする。方法は主に2つある。

1.モデリング。現象学的設計論では、シナリオ・UML・映像などを使って、作りたい「世界(プロダクトも人も、存在するもの全てを含めたもの)」そのものをモデリングし設計する。だが、モデリングはあくまで理論なので、正しく作用するかは試さなければわからない。あくまで、「経験」を取り込んだ自分の判断を信じるしかない。

2.トライアンドエラー。プロトタイプを作成し、「経験」を獲得してきたデザイナ自身が使ってみて良いと思う物を作る。この時、完全に実装されている必要はなく、あくまで経験を検証できればよい。(パソコンのマウスもそうやって検証された)これは「ダーティプロトタイピング」や「アジャイル」と呼ばれる手法で、トライアンドエラーを何度も繰り返すと効率が良い。

1と2両方ができるテーマでなければ、現象学的設計論は適応できない。対象を絞り込んで、局所的に作るのが定石だ。

で、なんでここでルーマンかというと、(俺が2年の頃からメインでやっている)SocialComputingは「トライアンドエラー」が難しいから、モデリングの方で何かヒントはないものか?と思ったから。できたら凄く面白いから、俺はこれをなんとかやりたい。

トライアンドエラーが難しい理由は、「デバイスやシステムを配布して、通信インフラも確保した上で、トライアンドエラーでデザインするのが難しい」これに尽きる。要するに金の問題だったりするが、割と世界中のubicomp系の研究者が「シナリオムービーしか作れねえよ!!」とか叫んで悩んでいる事だと思う。

この本は、今学期から開講された「現代と社会システム」(伊庭先生)という授業の指定の教科書でもある。伊庭先生はシステム論とか複雑系に詳しくて、それを社会学で使っている。SocialComputingと似た問題を扱っているので、この本を読んでみる事にした。

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