‘Bibliography’ タグのついている投稿

最近の買ったor読んでる本 - 集合知プログラミング、システム論など

2008 年 11 月 20 日 木曜日

システムの科学
システムの科学
posted with amazlet at 08.11.26
ハーバート・A. サイモン
パーソナルメディア
売り上げランキング: 8402
おすすめ度の平均: 4.5
4 重厚にして、小気味よい一冊。
5 「人工物」におけるデザインとは何か?
和田さんの親父さんの書評を見て買った。記憶から社会まで広くシステムと呼べるもの全般について横断していて、ぱらぱらっと見ただけでは把握できない。



集合知プログラミング
Toby Segaran
オライリージャパン
売り上げランキング: 809
おすすめ度の平均: 4.0
3 私には敷居が高かったかも・・・
5 応用しやすいアルゴリズム
協調フィルタリング、階層的クラスタリングからベイズ、機械学習、SVMなどの数学的・統計的な処理がコードで解説されている。
この本が素晴らしいのは、数式は巻末に掲載されているだけで基本的に文章と図とそれを実装したコードで解説されているという事で、そのまま書き写せば動かせるし、自分なりにちょっといじってみて違う結果が出したりできる。統計だけではなく、その前後つまりdel.icio.usのAPIを呼んだりHTMLスクレイピングしたりしてデータをコレクションし、統計結果をPython Imaging Libraryなどでビジュアライズする所までやってくれるので、頭からがっつり写経して今50ページまで来た。

(続きを読む…)

エスノメソドロジー―社会学的思考の解体 を読み始めた

2007 年 5 月 8 日 火曜日

1,2章でエスノメソドロジーの定義がされる。3,4章はセットで読んだ方が良いら

しい。

あと、3章のタイトル「お前の心の迷いです」がツボにはまってバス内で恥ずかしかった…

エスノメソドロジー―社会学的思考の解体
ハロルド・ガーフィンケル 山田 富秋
せりか書房 (1987/04)
売り上げランキング: 113474

余談は置いて、エスノメソドロジーとは何か?

エスノメソドロジーは実践と共にある運動。それは、社会はすでに形を持って構成されている、というような客観的なものであるという説明はしない。そうではなく、当たり前の日常として過ごしている人々の活動をあえて「奇妙なモノ」として解釈する。

例えば、裁判の場における「陪審員」という集団は、常識的知識の基盤を共有した集団で、また互いの頭の中の考え方や知識を見抜き合って共同している。

この時の陪審員達の言う「常識」は、私達の普通に言う常識とは異なる。例えば法にのっとっていたり、供述が論理的に正しいかを重視する。外から見ると陪審員のeveryday-lifeは明らかに普通とはルールが違い、何か変で、合理的には見えない。

この本ではそういう実例の論文が2章以降書かれている。

(続きを読む…)

最近買った本 - デザイン思考、状況的行為、DirectXで画像処理

2007 年 3 月 12 日 月曜日

最近買った本のメモ。

デザイン思考の道具箱―イノベーションを生む会社のつくり方
奥出 直人
早川書房 (2007/02)
売り上げランキング: 3790

俺が所属している奥出研の奥出先生が最近書いた本。

デザイン思考の道具箱book1stで発売日に品だしされてる所を買った。

春学期の月曜4限?ぐらいに、この本に基づいて7章以降をアップデートした内容で「マネジメントオブデザイン(MoD)」という授業が行なわれます。俺がTA(アシスタント)です。シラバスが段々今できてきています。

プランと状況的行為―人間‐機械コミュニケーションの可能性
ルーシー・A. サッチマン Lucy A. Suchman 佐伯 胖 水川 喜文 上野 直樹 鈴木 栄幸
産業図書 (1999/10)
売り上げランキング: 143815
おすすめ度の平均: 5.0

5 状況論とエスノメソドロジーへの最良の案内書

重要なので買った。

サッチマンは、現在のコンピュータの設計時の人間の行為のモデルはヨーロッパの航海術の様な「プランに従った」モデルだと言っている。それは先に航海路を決めて、いかにその道から外れないかに気を付けるというモデルだ。

人間の多くの活動はそうではなく、トラック諸島の船乗りの様に、ゴールを決め、そこに至る道のりは「アドホック(その都度的)な」状況的行為で逐次対応して向かっているので、コンピュータの設計もそういう風にやる必要があるという。

ガーフィンケルのエスノメソドロジの方法論に基づいて行なったコピー機と人間の対話分析などが書かれている。サッチマンの状況論はweiserの論文からも参照されているのでそのうち読む。

(続きを読む…)

オクダナに寄稿しました

2006 年 10 月 3 日 火曜日

奥出研の夏合宿パンフレットの書籍紹介「オクダナ」に何冊か寄稿しました。

最初の6冊まとめてが、コンピュータの限界についての本。

そして後の数冊が、実際に限界を超える方法についての本です。

よく考えるとパンフ冒頭の方で先生や吉田さんが書いている内容を指している、「そういうコードの扱い方」や、「コードを書くのは難しい」という理由なんかを説明しないと完成しないエントリですが一応書いてみる。

■コンピュータの限界

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー
ローレンス レッシグ 山形 浩生 柏木 亮二
翔泳社
売り上げランキング: 47,157
おすすめ度の平均: 3.44

1 原書で読みましょう
1 レッシグに泥を塗った山形浩生
5 理解できるまで読め

コモンズ
コモンズ
posted with amazlet on 06.10.03
ローレンス・レッシグ 山形 浩生
翔泳社
売り上げランキング: 71,557
おすすめ度の平均: 4.07

5 産業は進化を求めている。
4 日本的著作権を考察する前に読むべき文献
4 インターネットの本質的な自由さとその消滅

二十一世紀の資本主義論
岩井 克人
筑摩書房 (2000/03)
売り上げランキング: 31,452
おすすめ度の平均: 4

4 貨幣とは何か、そのテーマから未来が見えてきます
5 この本は「買い」です
5 知的興奮を誘う一級品としての読み物が満載の必読書

思想としてのパソコン
思想としてのパソコン
posted with amazlet on 06.10.03
西垣 通 フィリップ ケオー A.M. チューリング ダグラス・C. エンゲルバート テリー ウィノグラード ヴァネヴァー ブッシュ J.C.R. リックライダー テッド ネルソン Theodor Holm Nelson Philippe Qu´eau
NTT出版
売り上げランキング: 158,638
ビーイング・デジタル - ビットの時代 新装版
ニコラス・ネグロポンテ 福岡 洋一
アスキー
売り上げランキング: 129,376
おすすめ度の平均: 4.4

5 未だ価値を持つビジョン
2 名著と言われても、いまさら得るものがない
5 陳腐化しない良書

アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
ピーター モービル Peter Morville 浅野 紀予
オライリージャパン

これらの本には、コンピュータにできる事の限界と、その限界を超えて社会システムや人間の能力を拡張するシステムとしてコンピュータを利用しようとした先駆者の試みが書かれています。

モノを作りはじめた頃は「それを実現するにはプログラムが必要だよ」と思う事があるかもしれません。しかしプログラムコードで書くことが絶対にできない領域があります。でも、その限界は他の工夫で超える事ができます。今一番熱いのは、そういうコードの扱い方です。

これらの本を読むと、コンピュータの限界と、その限界を越える方法がわかります。

(続きを読む…)

『知恵の樹』オートポイエーシスの何が凄かったのか

2006 年 8 月 19 日 土曜日

3日ほど前だったか、サカサイ俺が前に読んだ知恵の樹の事を話してて、「オートポイエーシスって別に当たり前の事じゃね?」って事になったんだけど、それからなんとなく「何が凄かったのか」について考えてみた。

知恵の樹
知恵の樹
posted with amazlet on 06.08.19
H.マトゥラーナ F.バレーラ 管 啓次郎
筑摩書房 (1997/12)
売り上げランキング: 40,321
おすすめ度の平均: 5

5 オートポイエーシスってそうやったんかー!

知恵の樹のあとがきや前書きにも書いてある通り、マトゥラーナとヴァレラは当時クーデターなどで政情が不安定だったチリで、「<どのように知るのか>を知る研究」を行なった様だ。

国の中で色々な価値観を持った人同士が争い合ったのだろう。そんな情勢の中で、どうして自分の価値観を信じ込んでしまうのだろう?と考えた時、「<どのように知るのか>を知る研究」が始まった。

これは「<目の前の赤くて丸い物体は、リンゴだ>と何故信じるのか?」(”信憑構造”と呼ぶらしい)を研究した現象学者のフッサールと、社会的背景も目的もよく似ている。フッサールの頃のヨーロッパは、宗教戦争でプロテスタントとカトリックと色々が争ったり、地動説と天動説が争ったりしてみんなの価値観が滅茶苦茶になった後に、結局それら全てを否定する形で、科学技術がヨーロッパを制してしまった時代だった。

人々は「信憑構造を解明してほしい」というニーズを持っていた。

(続きを読む…)

知恵の樹

2006 年 8 月 10 日 木曜日

おととい読んだ。オートポイエシスの2人の本。

文庫じゃないデカイ版はDNP1階にある。

知恵の樹
知恵の樹
posted with amazlet on 06.08.10
H.マトゥラーナ F.バレーラ 管 啓次郎
筑摩書房 (1997/12)
売り上げランキング: 40,321
おすすめ度の平均: 5

5 オートポイエーシスってそうやったんかー!

副題の「生きている世界はどのようにして生まれるのか」の通り、フッサールの「現象学的還元」と同じ事を目的にしている。ただし手法は生物学で、そのまま細胞レベルから社会レベルまで上がってくる。

目的は現象学的還元、つまり私達が生きている世界を観察し、経験する事から生まれる信憑構造についてなのだけど、その他にも生物システムそのものの捉え直しが行なわれている。

それは、よく言うような、一つのシステムがその環境から刺激を受けて状態を変えるというような「内と外の構造」では無くて、例えば卵がかなり閉鎖系なのに内部に複雑な組織がぐわっとできてしまうような事とか。

俺は生物学がどうコレ新しいとかよくわからないけど、まあ大体細胞内の話からこういう話になってくる↓

s.h.log: ルーマン、ハイエク、複雑系の社会学、オートポイエシス

『フィールドワークへの挑戦』を読みながら、ものづくりとエスノメソドロジについて考える

2006 年 5 月 20 日 土曜日

関連記事:asahi.com:京大生の報告集出版 - マイタウン京都

先日買った京都大学の菅原和孝教授のフィールドワークの本が、かなり良い。

厳密に、participating observation(参与観察)して、民族誌を作り上げている。ethnomethodology(エスノメソドロジー)してる。

奇しくも、丁度去年の今頃やっていた「お祭り」や「サッカースタジアム」のフィールドワークに近いことを、このエントリで書こうと思う。(書きながら考えるので何が出るかわからないが)

この本では、京都の街の行商人をフィールドワークしたり、エチオピアのビデオ小屋で麻薬?を噛みながらビデオみたり、と激しいFW(フィールドワーク)が行われてるだけど、俺は銭湯のFWが面白かった。「銭湯の背中流しっこのネットワーク」が見えてきて、色々と想像力を掻き立てられる。

銭湯はかなり特殊な空間で、都市の中の公共空間としても機能的に面白いし、あれだけ人がいるのにみんな裸という身体性も凄い。

みんな一緒にいるはずなのに個人っぽい、没場所的な今の都市において、大したイベントも無いのにみんなが集まる「銭湯」の様な場所で起こっている事を理解し、デザインに取り入れる事はユビキタスコンピューティングの新しい形としてヒントになる。(既に前から考えてるが…まず実験が結構難しい)

あと、銭湯の中に民族誌を持ち込めないという障害を乗り越えて、レポートを作ったのも凄い。

(続きを読む…)

HIIにHCIのアプローチを取り入れる:『アンビエント・ファインダビリティ』を読んで思ったこと

2006 年 5 月 9 日 火曜日

色々あって、昨日やっとこの本を手に取った。『新ネットワーク思考』などを現代版にしたような、凄く良いネットワークの本だった。

アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
ピーター モービル Peter Morville 浅野 紀予
オライリージャパン (2006/04)

俺はSFCの奥出研究室でユビキタスコンピューティング&HCI側で勉強をしているので、4章の『錯綜する世界』で紹介されるMITのTangibleBitsや、McCulloughの『DigitalGround』などのHCI的マストな本や、アンビエントやパーベイシブの話と、ネットワークの話が関連づけて書かれててかなりぐっときた。

というか一章の一番始めからMITの石井さんのセリフから始まってうけた。

それでさっきblogに書こうと思ったんだけどDESIGN IT!さんの書評が凄く良いので、どういう事が書いてあるかはそっちを見てほしい。

んで本題に入るんだけど、DESIGN IT!さんの続きで、HCI(Human Computer Interaction)からHII(Human Information Interaction)へという記事のがあるんだけど、これは実はちょっと違うんですよ。多分。

HCIからHIIに行く、というより、HCIの方法論を取り入れないと、HIIはシンボル==データな、地図みたいなのしか扱えないという事だと思う。

(続きを読む…)

『グーグル―既存のビジネスを破壊する』

2006 年 4 月 25 日 火曜日

こないだ湘南台の文華堂で買って、家までの電車と一昨日のフットサルの行きの電車で読んだ。読みやすいし、Wiredでずっと連載してる佐々木さんが書いたのが意味あると思う。

グーグル―既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚
文芸春秋 (2006/04)

Googleのやっているサービスを普通に紹介している本だった。

・圧倒的な計算能力があって

・ほぼ何もかも「把握」できて

・そこにピンポイントに情報を送り込める

すると、いままでウザかっただけの広告が、「うれしい広告」になる

で、その「うれしい広告」と対になるように、webサービスを無料で公開する。

Googleは、webサービス上でのユーザの動きを「把握」できるから、さらに「うれしい広告」の効果が上がる。

相乗効果になってくる。

まあ、そういう事なんだけど結局地主2.0って事なんだよね。

それに対して、俺らのubicomp/HCIの研究はどういう風に関わるかというのだが・・・

こういう2014年には結構なっていくと思う。でも決定的にこのflashムービーが描いていないのは、「どうやって日常の中でニュース投稿してるのか」とかそういう事だ。一体いつまでwebだけでやるつもりなんだろう?

『ルーマン理論の可能性』①

2006 年 4 月 21 日 金曜日

先週金曜に15分、今週水曜に15分、今日スタバで1時間半ほどで点検読書した。でもまだ最後まで点検できてない。

①としているのは、そのうち続きを書くから。

ルーマン理論の可能性
ルーマン理論の可能性
posted with amazlet on 06.04.21
村中 知子
恒星社厚生閣 (1996/01)
売り上げランキング: 474,552

■読む前に考えていたこと

俺は社会をシステムと捉えた二クラス・ルーマンが気になっていたんだけど、著書が多すぎるしwikipediaやGoogleとかで見てもいまいち特殊な用語が多くて掴めなかったので、どの本から手をつければいいのか数ヶ月迷っていた。(他にも色々やる事あるし)

なぜ気になっていたかというと、SocialComputingというユビキタスコンピューティング(ubicomp)のHCIの一分野があって、俺はそれをやっているから。SocialComputingは、いわゆる社会的なものにユビキタスコンピューティングをシステムとして実装(埋め込む)事で、社会とそこに生きる人の経験をデザインする。

その方法として、例えばDourishの『Where the action is』という本には、「SocialComputingとTangibleComputingは実は同じものだ」と書いてあって、それを包括する現象学的設計論をubicompに提唱している。現象学的設計論では、エスノメソドロジーによるフィールドワークを行い、そこで起こっている事とデザイン対象の「経験」を自分に取り込む。これは、例えば相手にアンケートを取っても大抵の人は自分の「欲求」を正確に説明する事ができないし、どういうデザインがあればより良くなるか説明できるはずがないからだ。(決して、デザイン対象との対話を否定してるわけではない)

「経験」を取り込んだデザイナが、「どうやれば/何があれば」良くなるかを考え、デザインする。方法は主に2つある。

1.モデリング。現象学的設計論では、シナリオ・UML・映像などを使って、作りたい「世界(プロダクトも人も、存在するもの全てを含めたもの)」そのものをモデリングし設計する。だが、モデリングはあくまで理論なので、正しく作用するかは試さなければわからない。あくまで、「経験」を取り込んだ自分の判断を信じるしかない。

2.トライアンドエラー。プロトタイプを作成し、「経験」を獲得してきたデザイナ自身が使ってみて良いと思う物を作る。この時、完全に実装されている必要はなく、あくまで経験を検証できればよい。(パソコンのマウスもそうやって検証された)これは「ダーティプロトタイピング」や「アジャイル」と呼ばれる手法で、トライアンドエラーを何度も繰り返すと効率が良い。

1と2両方ができるテーマでなければ、現象学的設計論は適応できない。対象を絞り込んで、局所的に作るのが定石だ。

で、なんでここでルーマンかというと、(俺が2年の頃からメインでやっている)SocialComputingは「トライアンドエラー」が難しいから、モデリングの方で何かヒントはないものか?と思ったから。できたら凄く面白いから、俺はこれをなんとかやりたい。

トライアンドエラーが難しい理由は、「デバイスやシステムを配布して、通信インフラも確保した上で、トライアンドエラーでデザインするのが難しい」これに尽きる。要するに金の問題だったりするが、割と世界中のubicomp系の研究者が「シナリオムービーしか作れねえよ!!」とか叫んで悩んでいる事だと思う。

この本は、今学期から開講された「現代と社会システム」(伊庭先生)という授業の指定の教科書でもある。伊庭先生はシステム論とか複雑系に詳しくて、それを社会学で使っている。SocialComputingと似た問題を扱っているので、この本を読んでみる事にした。

(続きを読む…)