先週金曜に15分、今週水曜に15分、今日スタバで1時間半ほどで点検読書した。でもまだ最後まで点検できてない。
①としているのは、そのうち続きを書くから。
恒星社厚生閣 (1996/01)
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■読む前に考えていたこと
俺は社会をシステムと捉えた二クラス・ルーマンが気になっていたんだけど、著書が多すぎるしwikipediaやGoogleとかで見てもいまいち特殊な用語が多くて掴めなかったので、どの本から手をつければいいのか数ヶ月迷っていた。(他にも色々やる事あるし)
なぜ気になっていたかというと、SocialComputingというユビキタスコンピューティング(ubicomp)のHCIの一分野があって、俺はそれをやっているから。SocialComputingは、いわゆる社会的なものにユビキタスコンピューティングをシステムとして実装(埋め込む)事で、社会とそこに生きる人の経験をデザインする。
その方法として、例えばDourishの『Where the action is』という本には、「SocialComputingとTangibleComputingは実は同じものだ」と書いてあって、それを包括する現象学的設計論をubicompに提唱している。現象学的設計論では、エスノメソドロジーによるフィールドワークを行い、そこで起こっている事とデザイン対象の「経験」を自分に取り込む。これは、例えば相手にアンケートを取っても大抵の人は自分の「欲求」を正確に説明する事ができないし、どういうデザインがあればより良くなるか説明できるはずがないからだ。(決して、デザイン対象との対話を否定してるわけではない)
「経験」を取り込んだデザイナが、「どうやれば/何があれば」良くなるかを考え、デザインする。方法は主に2つある。
1.モデリング。現象学的設計論では、シナリオ・UML・映像などを使って、作りたい「世界(プロダクトも人も、存在するもの全てを含めたもの)」そのものをモデリングし設計する。だが、モデリングはあくまで理論なので、正しく作用するかは試さなければわからない。あくまで、「経験」を取り込んだ自分の判断を信じるしかない。
2.トライアンドエラー。プロトタイプを作成し、「経験」を獲得してきたデザイナ自身が使ってみて良いと思う物を作る。この時、完全に実装されている必要はなく、あくまで経験を検証できればよい。(パソコンのマウスもそうやって検証された)これは「ダーティプロトタイピング」や「アジャイル」と呼ばれる手法で、トライアンドエラーを何度も繰り返すと効率が良い。
1と2両方ができるテーマでなければ、現象学的設計論は適応できない。対象を絞り込んで、局所的に作るのが定石だ。
で、なんでここでルーマンかというと、(俺が2年の頃からメインでやっている)SocialComputingは「トライアンドエラー」が難しいから、モデリングの方で何かヒントはないものか?と思ったから。できたら凄く面白いから、俺はこれをなんとかやりたい。
トライアンドエラーが難しい理由は、「デバイスやシステムを配布して、通信インフラも確保した上で、トライアンドエラーでデザインするのが難しい」これに尽きる。要するに金の問題だったりするが、割と世界中のubicomp系の研究者が「シナリオムービーしか作れねえよ!!」とか叫んで悩んでいる事だと思う。
この本は、今学期から開講された「現代と社会システム」(伊庭先生)という授業の指定の教科書でもある。伊庭先生はシステム論とか複雑系に詳しくて、それを社会学で使っている。SocialComputingと似た問題を扱っているので、この本を読んでみる事にした。