一昨日、町田のタリーズで点検読書した。
読書時間:20分
合宿でma22nさんが持ってて、その日の夜別の文脈から和田さんにも薦められたぐらいだから多分重要な本なんだろう。
フィルムアート社 (1996/11)
売り上げランキング: 45,410
「映画監督術」とは思えないけれど(笑)、監督になるたの基礎中の基礎は書かれています
キャメラワークや編集を意識しながら、ストーリーボードを考える
■読む前に
俺は2つの視点を持っていた。
1つはこないだの地獄合宿で、約150分でシナリオムービーを作り上げて、映像が結構面白くて、しかも手軽に作れる(かなり重要)ものだというのを知った事。
2つ目は、ユビキタスコンピューティング設計論とでもいうのか?ずっと考えているんだけど「どうやってあんな複雑な設計をさっと描いてぱっと作ってるのか」。
→こういうの。もちろん動く。朝集まって、夜完成しちゃう。設計に取り掛かる前にシナリオが出来てて、絵コンテの元になるコマは全部作られてる。そしてこれはユースケース図でもある。
シナリオに基づいたオブジェクト指向分析から独自のデザインルールでの設計をしているわけだけど、映像を知らないのに映像的に考えているのが不思議だったので、コンピューティングのデザインメソッドの一部としてもこの「SHOT BY SHOT」を捉えたい。
そういうわけで結構、正確に分析読書するというより、いいように捉える感じでシントピカル読書の一部としてこの本を「把握」する。
■分析読書
PART1~4になっている。
・PART1 ビジュアライゼーションのプロセス
多くの芸術家は、個人的に絵を描いたり彫刻したりできるが、映画撮影は一人ではできないので初仕事が初撮影だったりする事が結構ある(あった?)らしい。
著者はストーリーボードなどの手法で、映画化される前にビジュアライゼーションを一段階組み込もうとしている。
ストーリーボードの目的は2つ。その上で自分のアイディアを洗練させる事と、自分のアイディアを伝達する為の言語にする事。
撮影前に全てをビジュアライズする必要は無い。映画撮影はプロセスではなくプラクティス化する事でより良い作品ができてくる。
で、頭の中をビジュアライズしたスケッチがたくさん載っている。abstractなものでなく、ショットになってる。
・PART2 コンティニュイティ・スタイルの要素
基本3種類のショットがあって、ショットの連関が映像になる。ロングショット/ミディアムショット/クロースアップ。
色んな映像文法があって、前後の2つのショットの間に論理的に意味が成される。観客の頭の中に(言語化してなくても)描写に対する疑問が持たれ、連結され、シーンになる。
観客によるショット間の意味の認識も文化。だんだん、ワイドショットからクロースアップにいきなり切り替わっても受け入れられるようになった。文化ごとに距離感の身体感覚は違っていて、映像文法も変わってくる。
スクリーンのサイズによっても変わる。
「タイトなショットは照明が楽で、編集上他のどんなショットとも繋げやすい」とかtipsもある。
——
でここからまた実践的な話になってくるわけだが、これ以上は一度ストーリーボード→撮影の手間を踏んでから読んだほうが頭に入るはずなので、ここまで。
・PART3 ワークショップ
・PART4 移動キャメラ
ここまで。
■読んだ感想
まだ映像撮ってないわけだけど、設計の初期段階で映像を撮影するのに必要な要素は足りてる気がする。どうだろう。モックアップが無いと撮れないだろうけど……頭の中で映像になってないとシナリオが無いからソーシャルコンピューティングの設計はできない。
全部連動してデザインしてて、出せるところからplaceholderを作っていくのがいいはずだから、2時間で映像撮れるのは実証されてるわけだし映像はいけそうだ。
UMLの思考は踏んでるけど、UML2.0だけじゃ表現力不足というのもある。全体の見取り図的な、ユースケース・クラス図じゃない奴が必要な気がする。