半年以上、ちゃんと読んだ本について何冊も書いていなかったので、整理がてら一週間ぐらいかけて全部書き出してみようと思う。

『ソロモンの指環—動物行動学入門』著:コンラート・ローレンツ、訳:日高敏隆

1998/03 早川書房

ISBN:4150502226:image ISBN:4150502226

集団の形成過程や儀礼、その状況、集団にどういう種類や性質があるかとか考えていた時に、どこからどこまでが本能なのかわからなくなってきて社会学から動物行動学に飛んでみた。

動物にも儀式めいた行動はあるが、遺伝的な行動型だ。

コクマルガラスには明確な身分制度があり、身分が遠い同士は互いに眼中に入らない。トゲウオは巣に近い方がなぜか絶対に勝つ。

また、社会形成をしている動物もいるが、集団の行動を決めているのは「動物語」という周りの状況に反応して鳴くだけの言語だ。馬鹿なコミュニケーション形態だが、これは生存の為には有効に働いている。意味を読み取る側が状況を汲み取って賢く行動してやれば十分らしい。

人間は文化を継承していき、文化は集団にとても重要だが、この「動物語」的なものが集団形成のフェーズでかなり重要な気がしている。「匂いで同類だとわかる」だとかそういうコミュニケーション以前のきっかけとか。

あとエピソード自体がとても面白い。気がついたら俺がコクマルガラスのツイック儀式を絵で描いているぐらいに面白い。