12月142009
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(橋本商会 LaTeXで修論を書く会(mac版)の資料でした)
修論を開発するのに使った環境についてまとめておく。
TeXをはじめて使って、最初は文章を書いてるんだかマークアップエンジニアになったんだかわけがわからなかったが、Amazonで検索してJabRefに書誌情報を放り込んでbibtex形式で管理してTeXに読み込んだりとか、慣れるといろいろと便利だったので。
TeXの解説というと、タグをひとつずつ説明してばっかりでいつになったら文章を書き始められるのかわからないページが多いけど、とりあえずこんな順番でやってみると全体がどういう構造になってるのかがわかって、SFCの修士の人は幸せになれるんじゃないかな
最初のmacportsが難関すぎる気もするが。
- macportsをインストールする
- macportsでplatex-utf8、bibtex、dvipdfmxをインストールする
- とりあえず俺の修論texファイルをコンパイルしてpdfを生成してみる
- cocoa emacsをインストールする(TeXの編集がしやすい)
- JabRefで文献管理(bibtex形式をGUIで編集・管理できる)
- Amazonで本を検索してbibtex形式でjabrefにインポート
- ACM Portalからbibtex形式でjabrefにインポート
- 図や写真を入れる
- 参考文献を埋め込む
- その他のファイル(提出用紙ファイルに貼り付ける表紙、背表紙、修論提出表)について
- Leopardの場合:橋本商会 cocoa emacsをインストールした
- Snow Leopard(64bit)の場合:Snow Leopardに64bitでcocoa emacsインストール – 橋本詳解
■macportsのインストール
macportsをインストールする。
sudo port install パッケージ名でパッケージをインストールできるようになる。pLaTeXを使うのに必要なライブラリをインストールするのに使う。
あとiTerm日本語版もインストールしておくといいです
■macportsでplatex-utf8、bibtex、dvipdfmxをインストールする
の通りにやって、platex-utf8とdvipdfmxが使えるようにする。
texをコンパイルしてpdfを作れるようになる。
■Mac以外の場合
Windowsはよく知らないが、角藤さんが作ったインストーラを使うのがいいらしい。
Ubuntuでは、UbuntuにTeX環境インストール – 橋本詳解に書いた方法でplatexコマンド(platex-utf8ではなく)とdvipdfmxがインストールできる。日本語を使う場合文字コードがEUC-JPなのでnkf -eなどで修正。
■とりあえず俺の修論texファイルをコンパイルしてpdfを生成してみる
俺の修論のtex一式をアップしました
ダウンロードして解凍する。
解凍してできたディレクトリにterminal(iTerm)で移動して、
./buildするとコンパイルされてpdfが開かれる。以後、texファイルを編集して保存、./build を繰り返しつつ書き進める。
何をしているかはbuildの中を見ればわかる
なおこの修論には井庭先生周辺の学生からもらったテンプレートを使っている。
ちゃんとSFCの修論のフォーマット(キーワードや日本語/英語でのアブストラクトなど)のレイアウトになっている。
ソースまるごとの公開を快く了承いただけた。井庭先生ありがとうございます。
■cocoa emacsをインストールする(TeXの編集がしやすい)
TeXモードで色がつくのと、日本語がちゃんと表示できたりコピペができたりと便利なので使うと良い。
普通のSnow Leopardの人も、「Leopardの場合」に書いてある設定をした方がいい。バックスラッシュが打てないとTeXが書けないので。
Emacsよくわからない場合は、.texファイルを作ってドラッグアンドドロップして、ctrl-x ctrl-sで上書き保存だけ覚えておけばいいと思う。
■JabRefで文献管理(bibtex形式をGUIで編集・管理できる)
JabRef reference managerをダウンロードしてインストール。とりあえず俺の修論ファイルの中の.bibファイルを開いてみるとわかりやすい。
bibtexで書いておくと、tex中で
\cite{keyword}と書くだけで巻末に参照した文献一覧ができて便利。
macportsにもjabrefパッケージがある。
■Amazonで本を検索してbibtex形式でjabrefにインポート
Lead2AmazonでAmazonの書籍を検索できる。
検索結果にbibtex形式の書誌情報があるので、コピーして、JabRefの中に直接ペーストするだけで保存できる。
キーワードだけは論文中で呼び出しやすい名前にしておくといい。
■ACM Portalからbibtex形式でJabRefにインポート
ACM Portalの論文の個別ページにももちろんbibtex形式でエクスポートするリンクがある。
Automaterを使うかスクリプトを書いて自分に関係するキーワードをかたっぱしから入れてダウンロードしまくり、全部目を通してしまうと自信がつく。この作業は早めにやっておくといい。
■図や写真を入れる
画像をPNGやJPEGで読み込む – 橋本詳解
TeXではEPS形式で画像を読み込むのが普通らしいが、mediabb.styを使えば写真などのJPEGを直接読み込める。
■参考文献を埋め込む
bibtex形式で保存して、TeXから\cite{keyword}で呼び出してやると参照した文献だけを文献リストに出力できる。しかもちゃんと使った文献の中でアルファベット順に番号を振ってから埋めこんでくれる。これを手作業でやると1つズレる毎に更新しなければならなくなって死んでしまう。
俺は奥出先生がシカゴマニュアルがいいと言っていたのでシカゴマニュアルでやったが
シカゴマニュアルでリファレンスを書く – 橋本詳解
普通の形式でリファレンスを埋めこむときも
\bibliographystyle{chicago}のchicago部分をplainとかにすればいい。
■その他のファイル(提出用紙ファイルに貼り付ける表紙、背表紙、修論提出表)について
修論の提出は印刷して紙ファイルに綴じたものを3セット用意しなければならないので、ものすごい量を印刷しなければならない。
当日はSFC中のプリンターが混むので、SFCで印刷するなら朝のうち。できれば前日に印刷しておくか、プリンターを自分で持ち込むとか、研究室のプリンターのインクと紙の予備を買っておくとかしておいた方がいい。
とっとと仕上げて提出するのが一番良いんだけど。
あと紙ファイルの表紙と背表紙も印刷して、貼れるサイズに切って、糊ではらなければならない。これも結構手間。
一応、A4サイズの紙ファイルの表紙・背表紙に合うレイアウトのwordファイルをzipに入れておいた。